終戦の日

 「終戦の日」とは、昭和20年(1945)8月15日に第二次大戦が終結したことを記念する日であると巷間言われている。小中学校の社会科教科書にもそう書いてある。8月15日は、いわゆる「玉音放送」があった日であり、多くの人がその日をもって戦争が終わったと認識している。現在では、8月15日は、公式な呼称として「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされている。

 しかし、実際に太平洋戦争が終わった日は8月15日ではない。日本では太平洋戦争といわれるように、広大なアジア太平洋地域を舞台とする戦域で、一斉に8月15日をもって戦闘が停止されたわけではない。よく考えてみると、当然のことである。
 8月15日朝にアメリカのマッカーサー元帥は太平洋戦域に展開するすべてのアメリカ軍に対して、戦闘停止を命じたのであるが、ソ連は「千島作戦」と呼ばれる戦闘行動をこの日から開始していた。ソ連は終戦直前の8月9日に、日ソ中立条約を反故にして参戦し、8月15日以降も満州、千島列島をはじめ次々と占領地域を拡大した。その結果が現在の北方領土問題につながるのである。ソ連は北方領土どころか、北海道の北半分を占領しようと本気で考えていたとされる。

 それを阻止したと言ってよい戦闘が8月18日に始まった「占守島の戦い(しゅむしゅとう)」と呼ばれるものである。ソ連の侵攻は、千島列島の北方に位置する占守島に及んだのであるが、既に武装解除していた日本軍はここで再び戦闘行為を再開する。勇敢な兵士たちは一致団結し、ソ連軍に大打撃を与え、その後のソ連スターリンの北海道占領という野望を打ち砕いたともいわれている。

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