君が代

 「君が代」は、言わずと知れたわが国の国歌である。国旗である日の丸と並んで、わが国の独立と統一性を表象するものである。日本人のほとんどすべてが国歌斉唱の経験を持つ。そもそも国歌斉唱は、表彰式や卒業式などの儀式で行われるものであるが、そこには自国への敬愛の念が存在する。

 誰もが歌詞を暗記している「君が代」であるが、実はその歌詞の意味するところを正確に知っている人は少ない。

 君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

 わが国の象徴である天皇の御代(天皇の治世=日本の国)は、千代に八千代にいついつまでも続いてほしい。
 さざれ石(小さな石)が長い間に大きな岩となり、その岩に苔が生えてくるまで末永く(続いてほしい)。

 元々、この君が代の原歌は10世紀初めに編纂された『古今和歌集』のなかにある和歌である。その歌が約千年以上にわたって、人々の生活のなかで歌われ続けてきたのである。この歌が正式に国歌として選ばれたのは明治2年にさかのぼる。横浜滞在中のイギリス人軍楽隊長フェントンが薩摩藩士に対して洋楽の講習中に、「どこの国にも国歌が必要である」との提言を受けたのがきっかけといわれている。

 この「君が代」のすばらしさは、1903年(明治36年)にドイツで開催された「世界国歌コンクール」での見事な優勝という事実にもあらわれている。まさに日本の誇りであり、「君が代」を国歌とする日本に生まれてきたことを誇りに思う次第である。

 

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