【6】数学的思考
ここ十数年、大学受験は理系志望者が増加しているという。やはり、ネットやデータサイエンス、AIなどのリテラシーがますます強く求められる時代の後押しがあるのだろうか。
また、最近は高校入学後の早い時期に文理選択を迫られるようであり、それはほぼ不可逆的な選択であるようだ。大学受験時のみならず、社会人となった後は、理系への「転向」はかなりハードルが高く、文系人間は最後まで文系人間を通さざるを得ない(逆もしかりだが)。
しかし、まだ成人にもならないうちに、文理選択を迫ること自体がおかしなことである。それだからかは知らないが、最近は「文理融合」なる考え方のもとに、大学が新たに文理融合的な学部学科をつくっている。社会もそのような「文理融合人材」を求めているからだ。
受験勉強以来、数学なんて一切勉強していなかったが、このような世間の動向を見る限り、さすがに文系から理系に完全に「転向」することは難しくとも、何とか「文理融合人間」になれないものかと、浅ましい考えが脳裏に浮んでから、かれこれ、もう5年ぐらいになる。
このところ、いわゆる「ビジネス数学」なる分野も登場し、ビジネスに数学を活用するという動きも盛んである。ビジネスの成功には「数学的思考」が要求されているという主張である。手許にある数学関連本には、こう書いてある。
「数学とは、アタマを一瞬で整理する技術」であり、「稲盛和夫氏、堀江貴文氏、林修氏・・・一流の人は、みなこのメソッドで話している!」。
「数学的思考」ができる「文理融合人間」に少しでも近づいていきたい。