人生125歳説
厚生労働省の集計(2020年7月末現在)によれば、2020年の日本人の平均寿命は女性が87・74歳、男性が81・64歳で、いずれも過去最高を更新しているという。
また、2021年9月1日時点の住民基本台帳に基づく100歳以上の高齢者の数は、前年より6,060人増加し、8万6,510人となった。100歳以上人口の増加は51年連続であり、100歳以上人口は圧倒的に女性が多く、全体の88.4%を占める。
このままいけば、まさに「人生100年時代」が到来する。
現在、科学的、医学的に人間を見た場合、120歳まで生きられるという学説があるが、早稲田大学の創設者で明治の大政治家である大隈重信は「人生125歳説」を唱えていた。大隈によれば、「人間は本来、125歳までの寿命を有している。適当なる摂生をもってすれば、この天寿をまっとうできる」とのこと。また、その理由としては、生物学者の説を引用し、すべての生物は成長期・成熟期の約5倍の生存力を有している。人間の成熟期はだいたい25歳といわれているので、その5倍、つまり、125歳まで人間は生きられるとしている。
人類史上最長寿は122歳だという。これをみれば、大正期に唱えられた大隈重信の説は決して荒唐無稽の珍説ではなかった。しかし、ある科学者の研究によれば、今世紀中にその記録も破られるらしい。なんと130歳まで生きる人が出るという。ちなみに大隈重信は自分は125歳まで生きると豪語していたらしいが、83歳で天寿を全うしたそうである。ただ、それでも大正時代の平均寿命からすればかなりの長寿であった。