下請法を勉強したいのですが、おすすめのテキストを教えてください。

 下請法は法律書ですので、大型書店の法律書コーナーに行く必要がありますが、憲法や民法、刑法などほかの有名な法律に比べると分野的にどうしてもその数が少なく、大型書店でさえ、あまり在庫がないことがあります。
 ちなみに、当センターには学習者向けのテキストとして次の書籍があります。どれも現在刊行されている下請法のテキストとしてはスタンダードなものですし、Amazonなら在庫も豊富です。
 ① はじめて学ぶ下請法(鎌田明編著) 商事法務
 ② 下請法の実務(第4版)(鎌田明編著) 公財)公正取引協会
 ③ 下請契約トラブル解決法(第3版)(東京弁護士会親和全期会著) 自由国民社
 ④ Q&Aでわかる業種別下請法の実務(長澤哲也・小田勇一編著) 学陽書房

 法律書の場合、法律改正があると内容が陳腐化してしまい、勉強に支障を来しますので、中には会社法のようにほぼ毎年買い替えの必要があるのですが、幸い、下請法は平成21年が最終改正でしたので、現時点においては、上記4冊はどれも勉強するにあたっては大きな問題はありません。ただし、どの本も法律専門用語が多く、初学者が勉強をするには少しハードルが高いかもしれません。また、どれもその価格が2,500円~3,200円(税別)となっていますので、一般書に比べると少し割高に感じられるかもしれません。

 そこで、内容も平易であり、かつ、値段も安いものとして、次の本があります。
 ⑤ 下請法ガイドブックー研修用テキストー(令和2年11月改訂版)公財)公正取引協会 
 この本は一部を除き一般の書店では入手できず、直接、公正取引協会に申込む必要があります。値段は350円(税別、送料実費)と格安で、ページ数も80頁ほどです。内容も非常にわかりやすく初学者にとっては最適だと思います。巻末資料として、下請法の条文も記載されており、至れり尽くせりです。

 以上のほかに、かなり詳細なテキストとして、公正取引委員会が毎年11月に実施している「下請取引適正化推進講習会」で利用されているテキストがあります。このテキストは200ページ以上に及ぶものですが、非常に詳細に下請法の考え方や実務がまとめられており、無料でありながら、その内容は上記①~⑤のテキストに比べても全くそん色ありません。公正取引委員会のウェブページからダウンロードすることができます。